高齢者の口腔ケア5

唾液の効用、
ドライマウス対策。

さまざまな病気が原因で、食べものを口から入れるのではなく、管から栄養を摂られている高齢者の方がたくさんいます。症状の回復、介護体制など条件が整えば、できるかぎり口から食べる機会を増やすことは、寝たきりの患者さんの健康状態の好転につながります。たとえ噛むことができなくても、口からものを食べることは、唾液の減少によるドライマウス(口腔乾燥症)の予防につながります。唾液が不足すると、口腔内の雑菌が繁殖しやすく、カンジダ症や歯周病、口内炎にかかりやすくなります。歯周病菌は肺炎や脳梗塞の原因にもなります。また唾液内には、神経成長因子や上皮成長因子があり、傷ついた上皮や神経を修復してくれる効用もあります。